勇気を持って道を変える
昨日、教会であったクリスマス礼拝の牧師さんのメッセージの中で、長崎大学医学部卒業の外科医、柴田紘一郎先生から聞いたアフリカでの体験談をもとに、さだまさしさんが感銘を受けて作詞・作曲し1987年に発表した曲、「風に立つライオン」が紹介されました。柴田紘一郎先生は、「風に立つライオン」を収録したアルバム「さだまさしベスト」にコメントを寄せていますが、その一節に次の文があります。
「“風に立つライオン”は小生のアフリカでの2年あまりの体験及び浅学菲才のゆえの雑談を医師を例にとり、人としての生き方をまさしさんの感性と才能で創作した曲である。 この歌は、現代人の心の不摂生のため、過剰にしみついた魂の脂肪に対する警告でもあるように聴こえる。小生もアフリカの大地を通して学んだ事をすこしでも役立てて“風に立つライオン”のようになりたい。」
礼拝の中で牧師さんは、多くの人が無意識に自分の名声や富、欲望を求めて行動していることに警鐘を鳴らすと同時に、「自分が考えていた道から外れたとしても、それは神様から与えられた道であるので勇気を持って前に進みなさい」ともお話しされていました。山で遭難する人は、エベレスト症候群(周囲の状況を顧みず、自己中心的となって「そこに山があるから」とやたら困難に挑戦したがること)になっている人が多いこと、クリスマスにちなんで、ユダヤのヘロデ王が遣わせた東方の3人の博士たちが、その命令に逆らって救世主(キリスト)が生まれた場所を教えないために、ヘロデ王のもとには帰らず別な道を帰ったこと、そして、「善きサマリア人」となるように、「そのことによって、自分が不利益を被るリスクを顧みず人助けをする行為」をお勧めになられていました。角尾晋長崎大学元学長が、医師の理念として「よきサマリア人たれ」を掲げられていたのを思い出しましたが、以前にも増して、医師一人一人が原点に返って「患者さんにとって自分には何が必要とされているか?」勇気を持って決断すべき時期に来ていると思います。遭難はしたくありません。
「風に立つライオン」の詞は、アフリカで医療活動に従事する日本人青年医師が、日本に残してきた恋人から届いた結婚報告の手紙に対する返信の文面です。
風に立つライオン
作詞・作曲 さだまさし
突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう
ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ヶ渕で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷(ふるさと)ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です
三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました
ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ
この偉大な自然の中で病と向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね
去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます
去年は僕でした
闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム
南十字星 満天の星 そして天の川
診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです
あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです
空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい
くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福を
心から遠くから いつも祈っています
おめでとう さよなら